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「あ~死ぬかと思ったわ」
吉宗の口から這い出たハムは大きなため息をつきました。
「ほな、とっとと六十塔へ行こうや。話が進まんよホンマに」
吉宗はあらためて父上に詳細を聞き、面倒くさそうに頷きました。
「父上。姫を救うために伝家の宝刀『金剛剣』を貸してくだされ」
「貸すだけやで? あれは高う売れるんや。無傷で返せや?」
吉宗は伝家の宝刀を腰に帯び、中村家の門をくぐりました。
「危ない! 吉宗! 足元よう見な転ぶで!」
お供のハムが忠告するまでもなく吉宗はど派手にずっこけました。
「う~ん。外出は滅多にしないから油断したわ。反省反省」
なんということでしょう。『金剛剣』は真っ二つに折れました。
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