0人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
いつからか僕は、より幸福になれる道を選ばなくなっていた。
さらなる幸せを目指す人は沢山いる。けれどもそのどれだけがより幸せになれて、そのどれだけがさらに不幸になるのかは誰にもわからない。
幸せになれる人は持っている人で、なれない人は持っていない人。
短い人生しか歩んでない子供ですらわかってしまうこと。僕は――持っていない方の人間だ。
きっと、僕は今あるもので満足しなくちゃいけない。
いつの間にか、そういうものだと受け入れてしまっていた。
だから僕は選ばない。
選ぶと、さらに不幸になってしまう気がするから。僕はまだ不幸ではないから。僕は、不幸になるのが――怖いから。
最初のコメントを投稿しよう!