◇出会い

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 ま、そんなこんなで、学校なんか行ったってみんなから嫌な目で見られるだけだし、バイトしてお金稼ごうとしてもこんな身分も証明できない奴、雇ってくれるとこなんてあるはずない。  まったく、生きづらいし弱者に優しくない社会だねぇ、困っちゃうよ本当に。 「あぁ、お金欲しい、ご飯食べながら稼げる仕事ないのかなぁ」  まぁ、そんな仕事あるわけないんだけど、言いたくもなるよなぁ。 「もう一度あの洋食屋に行ってみようかな」  また何か捨てられてるかもしれないし。  僕はベンチから起き上がる。  ふと視線を感じる。  平日の真昼間に僕みたいな子供が学校も行かずに公園に一人、そりゃ気にもなるか。  なんとなく居心地の悪さを感じ足早に公園を後にする。  公園から出てしまえばあまり人の姿はない、この辺りはただの住宅街だからこの時間だと人通りが少なくて助かる。 「早いとこ駅に向かおう」  駅に向かうにつれて少しずつ人の姿が増える。  駅前はお昼時でも人が多い気がする――いや、お昼時だから人が多いのか、住宅街とは逆の性質を持ってる。  洋食屋のごみ箱は裏路地にあるから人に見られずに済む。  別に僕が見られたくないとか、恥ずかしいとかじゃない、周りの人からすれば僕みたいなのがごみ箱を漁っているところなんてのは別に見たくないだろう。  そんなことを考えながらごみ箱を開ける。  開けるときにごみ箱の上に乗っていた袋が落ちてしまった、でも僕には中に何が入っていようと関係ないから気にしないでそのまま漁る。  朝も思ったけど鍵とか付けないのかな、不用心だなぁ。 「おぉ、朝にもらったばかりなのにもう色々とあるじゃん」  ちょっと嬉しくなり、そのまま頬張りたくなるがまだ我慢、こういうのは時間が経つとすぐ痛んじゃうから、ちゃんと確認しなくちゃならない。  匂いを嗅いで、それから少しかじってみる。  この面倒くさい一手間を省くとお腹壊したりするからね、焦らない焦らない。  僕自身何度か痛い目にあっているからより慎重になる。  野菜類を集めればサラダになるし、うんうん、健康によさそうなお昼ご飯がすぐに出来上がちゃったよ。  その時不意に背後の扉が開く、重たそうな扉がゆっくりと開く音が聞こえる。
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