月とスッポンな関係

4/20
前へ
/139ページ
次へ
「今日の飯なに?」 「え?」 惜しげなく披露される素肌をがん見していると、不意にそう問われハッとする。 「えーと、小松菜のお浸しと、メンチカツ」 キョロキョロと視線を彷徨わせながら答えると、濡れた前髪の隙間から見える切れ長の目が優しく円を描いた。 「やった。俺美麗の作ったメンチカツ好き」 ズキューーーンと胸が急速に高鳴る。 “好き!” 私のことじゃないってわかってるけど、胸の高まりが抑えられない! 「先シャワー借りていい?」 「あ、うん、いいよ。揚げたて食べられるようにしておくね」 張り切る気持ちを堪える私の横を、臣は半裸でサンキューと通り過ぎて行った。
/139ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4929人が本棚に入れています
本棚に追加