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「いつも飯作ってもらってるお礼。それに、」
「それに?」
「美麗はもっと食ったほうがいいよ。お前があんなに華奢だとは思わなくて俺ビックリした」
「なっ、」
華奢って、あの時抱きしめたから私の身幅がわかっちゃったっていうの? そんな感想いらない! ていうか、死ぬほど恥ずかしい! 刺激的すぎる発言に顔は火が付いたように火照っていた。
「だから肉行こうぜ、肉」
一人道端で悶絶していると、私をこんにもテンパらせている張本人が、ケロッとした様子で言った。
「え……この時間から?」
「いいじゃん。付き合えよ」
臣はそう言うと私の手を取った。ノーとも言わせない勢いが臣らしい。そんな私も臣の言うことには、いつも従ってしまう。
「うん、いいよ、行こうか」
「よし、決まり!」
臣は嬉しそうに言って、私の手を引く。なんだか昔に戻ったようで、嬉しくてスキップしてしまいそうだった。こんな時間がいつまでも続けばいいのに。
春月の下で、そう願わずにはいられなかった。
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