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「私イケメン嫌いなのに手を繋いで走らされるとか羞恥の極み!」 よく分からないがご立腹らしい。 そんなことはこの際どうでもいいが。 「柚衣は何処に行ったんだ!探しに行かないと……。ていうか、貴女は一体誰なんですか」 「私は田倉……じゃなかった、奈倉木ノ子といいます。ああそれから、貴方が探している柚衣さんだったら先に行ってるはずですから。私が案内させていただきます」 「先に行ってるって、何処に?」 「貴方がこれから行こうとしていた場所です。私が管理人をしている猫カフェ『Nail of a cat』ですよ。まったくもう……伊達くんったらアルバイトの分際で管理人の私をこき使うなんて!まあでもあのイケメンとずっと店に引きこもっているよりも今みたいに外に出たほうが気晴らしできていいかも知れないけど。かと思ったらまた違うイケメンが登場するなんて!どうして私に関わってくる男はイケメンばっかりなの!なんて日だ!」 このキノコっていう変な名前の女、相当ストレス溜まってるようだし、あんまり関わらない方がいい。 なんて一瞬のうちに判断した蒼馬は、柚衣の無事を祈りながら奈倉に着いていった。
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