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猫カフェに到着すると、柚衣とイケメンの男が仲良さそうに談笑していた。
「はい柚衣ちゃんアーン」
「もういいですって。私もうお腹いっぱい……あ」
イケメンがパフェをスプーンで掬って柚衣の口の前に差し出していた。
ちょっと困ったようにしていた柚衣が店に入ってきた蒼馬と奈倉に気がついて慌てている。
「柚衣、お前何をやってる」
俺がどれだけお前のことを心配したと思ってるんだ。
俺以外の男と楽しそうにしやがって。
口には出さないが心の中で蒼馬は毒づいた。
「ち、違うの!」
蒼馬に誤解されていると思い必死に説明しだす柚衣。
一緒にいるイケメンはアルバイト店員の伊達優作。
蒼馬とはぐれた柚衣をこの猫カフェに連れてきてくれたのが、たまたま近くにいた伊達だったのだ。
「それは大変お世話になりました」
一応形だけはお礼を言った蒼馬だったが、納得していない様子は誰から見ても丸分かりである。
それにしてもここは猫カフェだったはず、だけど猫はどこにも見当たらない。
「あの、つかぬことを聞きますけど、猫は?」
「いま貸し出し中なんです。エージェントの金海さんが猫好きで高齢の大富豪を引っ掛けようとしているらしく……」
エージェント……?
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