猫の爪 冬のパン祭り

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「は？なんだって？」

「だから！『猫の手も借りたいくらいに忙しいんだからネイルアートなんて無理だし爪の手入れする暇もないパン屋』略して『猫の爪パン』がキャンペーンやってるんだって！」

高校教師である深澤蒼馬と、その生徒である橘柚衣。
二人は実は恋人同士である。
新しい年になりもうすぐ１ヶ月というこの時期、寒さなどものともせず元気が有り余っているのは若さのせいか？
それとも二人の仲がアツアツだからか……。
平日はただの担任教師とただの女子高生でいないといけない。その分、週末だけはイチャイチャしたっていいじゃないか！

「えっと、パン１個買うと1ポイント。100ポイントでTシャツ１枚、500ポイントでブルゾン1枚。私、Tシャツが欲しい！」

コンビニでパンを買ってポイントを貯めると、『もちもち山敏光』グッズが手に入るらしい。
柚衣が欲しがっているのなら、是非ともゲットしなければならないと蒼馬は心に誓った。

「で、そのキャンペーンはいつまで？」

「えっと……今月末まで、かな……」

今日は１月26日。
もう１週間も残されていない。