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日曜日の深夜、明日学校で配る予定のパンを買いにコンビニへ向かう蒼馬。 「私も一緒に行きたい!」 「ダメだ。夜中に女子高生を連れ回すなんて出来るわけがない。その代わり貯めたポイントとTシャツを交換に行くときには連れて行ってやるから。だから明日の放課後は空けておけよ?」 なんて色気のない言い方をしてしまった蒼馬だが、本音はちょっと違う。 夜中に可愛い可愛い柚衣を連れ回したりでもしたら、よからぬ輩たちの目に触れさせてしまう危険がつきまとう。 格別可愛い夜の柚衣を愛でていいのは俺だけだと蒼馬は自負しているのだ。 コンビニに入ると『猫の爪 冬のパン祭り』というPOPがデカデカと目立っていた。 今月に入ってから何度かコンビニには来ているはずなのに、今まで気づかなかったのは何故だ。 「あの、猫の爪パンをこの店にあるだけ全部ください」 「全部、ですか?在庫を確認しますので少々お待ちください」 この店で100個買うことができたらそれが一番ベストではあるが、そうはいかないだろう。 10個でもあればいい方だろうなと思いながら蒼馬は在庫確認に向かった店員が戻るのを待った。                                                
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