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名無し草
「キャペルは臆病者だ。」少し見下し気味に言った友の言葉がまだ頭に残っている。
キャペルはよく慎重なやつだとか、警戒心が強いやつだとか言われるけど、臆病者と言われたのは初めてだった。
自分の慎重さをキャペルは少しばかり誇りに思っていたのだが、それを臆病者と捉えられると、イライラするような、自分の弱さを見つめ心寂しいような気持ちがした。
そうして一人部屋のソファーでてんとう虫(スマートフォンのようなもの)をいじっていると「おい、てんとう虫はかごに入れて、あり戦でもやらないか」とスリージーが呼んだ。
ほたるやすでの明かりの下、スリージー、ペルメ、そしてキャペルはあり戦をはじめた。
キャペルはあまりあり戦が得意ではなかったが、手持ち無沙汰だったので参加することにした。
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