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あり戦の展開は進んでいった。話題はなぜか仕事についての方へと移っていった。
「俺たちは奴隷と変らないじゃないか。もう仕事はうんざりだ。
上司はいちいち突っかかるし、もっと自由にやらせろよ。そのくせ上司の通りにやったら―全然だめじゃないか。
何が情熱だ。情熱だけでどうにかなるなら今頃みんなお金持ちだ。」
「まあ確かに現代のその世代は、そういった感情的な考えに囚われている人達が多い気がする。
感情も大切だがもっと客観的に見て論理的に判断することも大切だと思う。」
「やはり上司っていうのは、そんなものなのか。」
キャペルは首を傾げながらスリージーの方を見た。
「そうだね。小さい頃に噂的に聞いた通りという感じだね。あれは虚構でもなんでもなくて、大袈裟に脚色しているというわけでもなかった。本当にあんな感じなんだよ。」
「キャペルはいいよな。上司とかいなくて。俺も画家になろうかな。」
その無造作な言葉にキャペルは少し苛ついた。
「僕は僕で大変なんだよ。全て自分でやらなければいけない。職場に行けばなんとかなるという話ではないんだ。
それに常に良いものが求められる。購入してくれる人を失望させないために必死なんだよ。」
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