名無し草

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 あり戦はとうとう終盤まで差掛かっていた。形勢はスリージーが優勢という感じで、キャペルとペルメは五分五分という感じであった。 ペルメがありを動かそうとしたその瞬間、周囲の虫音とともに、部屋が真っ暗となった。 三人の姿が消滅した。 ―しばらくの無音の後、最初に口を開いたのはやはりペルメであった。 「停電か。キャペル、てんとう虫で照らしてれ。」 キャペルは手元にあるかごから手探りでてんとう虫を取り出し、明かりを付けた。三人の顔が暗闇の中で橙色に浮き上がった。 「確か玄関の所にかぶと虫があったはずだから見てきてくれないか。」 ペルメのその言葉に従いキャペルはてんとう虫で明かりを照らしながら1階の玄関まで降りていった。
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