情報の授業

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情報の授業

情報科学の授業で、不当広告を探すという課題が出た。 サイトでコラムを読んでいると、たまにページ上方に出てくる、あの胡散臭いやつだ。 それならすぐ見つかりそうだ。俺は、恋愛コラムのサイトを探して開いた。数打ちゃ当たる、適当にいろいろなサイトを開いた。 そこへ、お調子者の江口がやってきて、俺のパソコンを覗き込んだ。 あっ、ヤバい。 「『童貞バレする言動4選』だって! うえちゃん、何見てんだよー」 コラムのタイトルを大声で読まれた。周りで笑いが起きる。 死にたい。 「上田くん、ここは学校ですからね。そういうのはお家で見ましょうね」 先生の発言で、笑いはコンピューター室全体に広がった。 江口……この野郎! それぞれが、見つけた不当広告を発表する時間になった。 俺は、別のサイトで見つけたダイエット食品の広告にした。同じ広告を取り上げる人は、他にも何人かいた。 当の江口は、パワーストーンの広告だった。 「こんなので彼女が出来るって、すごく嘘っぽいと思いました!」 自信満々に喋る江口。ちょっと懲らしめてやろう。 「はい!」 俺は手を挙げて立ち上がった。 「江口くんの、そのパワーストーンの広告、エロサイトでよく出てくるやつです! そういうの、見ちゃいけないと思います!」 盛大な笑いが起きた。隣の奴なんか、お腹を抱えて笑っている。よし、勝った。 それに対して、先生がコメントした。 「ということは、上田くんもそういうサイトを見ているということですね」 墓穴を掘ってしまった。 ……このまま消えたい。
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