第一話、僕はお父さんの操り人形。

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チョロ松side あの子、僕達六つ子に似てるんだよな。 姿だけじゃなくて、 まるで…僕達六つ子を混ぜあわせて出来た感じ。 あの子は殆ど話さなかったけど、 未成年だって事は教えてくれた。 あとの事は何も教えてくれなかった。 僕は彼を見送った後、家に帰った。 居間でいびきをかいて寝ている僕の兄おそ松。 たぶん、僕の帰りを待っていたんだろう。 他の奴等は自分の部屋で寝ている。 何だろう、この胸騒ぎは。 あの子が帰ってから、あの子の事ばかり考えてしまう。 あの子の万引きは、自分の意志じゃないとしたら……? 誰かに命令されて、逆らえずにやった事だとしたら……? あの子はきっとまた、命令されて万引きするだろう。 そんなの……駄目だ。 僕達の所で教育させないと。 良い事と悪い事の区別を教えてあげないと。 僕は家を飛び出して彼を探した。 おそ松兄さんが寝たフリして僕を見ていた事も知らずに。
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