王道学園と、平凡と見せかけた非凡

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風紀は指名制で選ばれ、拒否はできない。 あの変態は哀留を指名し、俺も指名してきやがった。どうせ変態は俺と哀留の関係ってのを知っいて、哀留の性格を知った上での指名だったと思う。 俺がキレながらも哀留のフォローをしてんのを、高みの見物でもしてんだろう…胸くそワリィ… あぁ、話が逸れたな。 つまり、哀留は平凡だがただの平凡ではないって事だ。 目深に被った帽子を取ってやれば、久しぶりに見えた奴の瞳。 今までは前髪が長すぎて目が見えなかった。 中学の時に比べ幼さが消えたが、やはりぱっと見は普通。 襟足も綺麗に切りそろえられ、前髪も目にかかる程度の長さ。 黒い瞳も今は潤んでいる(欠伸したせいだろが) ただ、やはりコイツは独特な雰囲気を醸し出している。 そしてそれは、何故か人を惹きつける。 しかも、一癖も二癖もあるような奴を。 …変態ホイホイか? チッ。 平穏を望むために今まで散々風紀を避けていたってのに、なんで今更髪まで切ってここに来やがったのか………… しかも、ご丁寧に他の風紀連中にも連絡して。 今頃あいつら、まだ見ぬ委員長に夢をはせながらここに向かって来てんだろうな……… 姿を見せないサボリ委員長を、何故か妙に神聖化してんだよな。 基本、風紀は忠犬な奴らが多いんだよ。 って、あぁめんどくせぇ。これからここに来る奴らへの説明も、これからコイツが周りに与える影響も。
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