王道学園と、平凡と見せかけた非凡

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【1話】 「藤谷生徒会長が、疲労で階段から落ちて左足骨折したらしいぞ!!」 「まじかよ!!!」 「いやぁぁあ藤谷様ぁ」 「それで今会長は!?」 「病院に運ばれたらしい。しばらくは入院だろうって……」 「会長が入院…………」 どうもこんにちは。 桐生 哀留(キリュウ アイル)と言います。 今、教室内…いや、学園中が大騒ぎとなっています。 冒頭にもあった通り、生徒会長が怪我をして入院したらしい。 普通なら「そうなんだ」で済むが、ここではそうはいかない。 所詮この学園は王道男子高校。 生徒会が頂点に立ち、美形には親衛隊が居てホモとゲイと一割がノーマルという混沌とした学園である。 その学園のトップである会長のこの怪我に、生徒たちは絶望し悲観した。 ……が、理由はそれだけではないけれど。 事の発端は、3ヶ月ほど前に転入してきた生徒にあった。 わかる方はもう理解して頂けたであろう。 そう、その転入生は王道転入生だった。 頭がもっさもさしてて、顔が隠れるほどの見えない程の眼鏡をかけたデカい声と素晴らしいKY力な黒マリモ………………… ではなかった。 その転入生・如月 唯(キサラギ ユイ)は一般的に言えば 王道転入生の性格であったが、見た目が可愛くピンク色でふわふわとした髪。丸く大きな瞳と長い睫毛、ぷっくりと膨らんだ唇。 そんな彼に、これまた王道的に骨抜きになった奴らがいた。 腹黒副会長とチャラ男会計と双子補佐と、ついでに爽やかスポーツマンと一匹狼不良。 奴らは転入生に毎日べったりべったり、そんなんだから生徒会の奴らは仕事もさぼりまくっていた。
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