王道学園と、平凡と見せかけた非凡

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蓮Side ガタッガン…ガツン!!!! バッッッタァァァァン…!!!!! 「………これは器物破損に入りますか?」 「…必要経費で賄っとけ」 盛大な音と共に倒れたのは、数秒まで「扉」だったモノ。 それを少し離れたところで見ていた睦月と俺。 ……修理も早々にしないとな。 哀留が脱兎の如く走り去り、ご丁寧に鍵までかけて…どうせ俺達が後を追わないように時間稼ぎのつもりだったんだろうが… 外側からと内側から鍵をかけた場合、それを逆側から開けるときは少々手間取うようになっている。 でも、鍵は開けれる。 が、その時間すらも惜しいと直ぐさま扉に足をかけ3発。 3回の蹴りで、それを破壊。 流石…というかなんというか。 まぁ、怒りをそのまま板(扉)にぶつけたんだろうがー……それを破壊した人物の背に視線を向ける。 ソイツが直ぐさま走り出そうとしたのを、他のメンバーで止めていた。 ……なんでこうも直ぐさま頭に血が上るんだろうか…←人のこと言えない あの黒モジャに言いたいことは沢山あるが、それはそれとして、まずはこっちだろう。 はぁ……、おもわず出た溜息。 「………岸沼」 「……………」 名を呼べば、無表情で視線だけを向ける暴走車。 その足を止めるべく、さっきから襟首を掴み上げている愛染先輩流石です。 俺も愛染先輩も喧嘩っ早く足癖は悪いが、その時の状況を見る冷静さはある(…つもり) が。 岸沼は、哀留の前では何十枚も猫を被ってふわっふわしているが… それ以外は無関心。我が道を行く。 学園裏では1・2を争う危険人物。 哀留に出会ってからは落ち着いて居て猫が剥がれるって事はあまりなくなっていたー…が。 最近の哀留の入院やらで、ぺらっと剥がれやすくなっている。 「…………」 殺気の籠もった視線。 「今すぐに哀留を追う。何で止めてんだオラァ」 …って所だろう。 くそ、めんどくせぇ… 「…はぁ、…哀留は、まぁ、多分大丈夫だろ」 「……何で」 低い、高揚の無い声で言う岸沼。 哀留に見せていた、へらっとした表情は削ぎ落とされ…この姿を見たら、アイツはなんて言うだろうか。 と、そんな事をふっと思いながらも、
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