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えぇぇぇぇーーーー………………もう本当にやめてぇぇぇぇぇぇぇぇ…………
どこまでしってんのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーー……………俺のプライバシーどこぉぉぉぉぉーーーーー…!!!!!!????????
あれ?これ壮絶なイジメ現場かな?
と、その時。
「……………何やってんの?」
哀留の後ろ………つまりは、たった今桐生家に来た人物。
「あらー!桜(おう)ちゃん!久しぶりね!いらっしゃい!」
「哀奈、久しぶり」
哀留と哀奈の幼なじみ、藍原 桜歌(アイハラ オウカ)がきょとんとした表情で、そこに居た。
そして、
「哀留何やってんの?土下座?」
哀奈の前にうずくまっている塊に声をかけると、その塊は自身の最大の瞬発力で、幼なじみにすがり付いた。
「おおおおおおぉぉぉうかぉぉぁぉぁぁぁ!!!!!!!久しぶりぃぃぃぃ助けてぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」
「うっわ、きったな」
この現場を打破出来る救世主!!!!!と。
えぐえぐと、涙と鼻水を撒き散らした俺にすがり付かれ、汚いと良いながらもバッグからティッシュを取り出しその汚い顔を拭いてくれる。
桜歌は、なんとも心優しい青年である。
(え、ちょっと、痛い痛い。鼻もげる眼球潰れる!!!!!)
そして、綺麗になった(と言っても、平凡顔)の俺の背中を、木魚の如くぽんぽんぽんぽんと叩き落ち着かせる。
(え、ちょっと痛い痛い!!もっとソフトにして!!!子供を寝かしつけるようなぽんぽんにして!!!)
「で、何してんの?哀留、ここに居るってことは学園からの帰省でしょ?久々に帰ってきて、土下座?楽しいの?双子での遊び?哀奈に遊んでもらえて良かったね」
おいこら。
お前心底不思議そうに首かしげてるけどな、あの現場見てなんでそうなる。
あんな遊びあってたまるか、楽しいわけねーだろうが。
だが、そんな桜歌の斜め上の感想なんぞよりも、俺は自身の味方が増えた方が嬉しかった。
例え、鼻と眼球もぎ取られそうなほど顔を拭かれても。
埃叩き出そうとしてるのかな?と思うほど強く背中を叩かれていても。
俺は、きっと、桜歌が味方になってくれると信じていたんだ……
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