王道学園と、平凡と見せかけた非凡

7/360
前へ
/373ページ
次へ
と思ったら、 「あ、あ、会いたかったぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!!!!!!!!」 金髪が叫びながら涙を撒き散らし、突進してきた。 ガンっ!!!! ……まぁ、普通避けるよな。 俺はとりあえずソイツの突進を避けて、中に入る。 ガンって音は、奴が勢い余って壁にぶつかった音。 頭割れてないと良いな。 しれっと思いながら、中を見渡せば…………… 鬼がいた。 背が高く体つきは程よく筋肉もつき。 襟足が長い赤髪を軽く立たせて、鋭い目つきながらもワイルド系の美形と騒がれている男。 風紀副委員長・水沢 蓮(ミズサワレン)。 奴は、俺をじっと睨んでいる。 背後に鬼が見えるのは気のせいか? うん、気のせいにしないと俺の何かがもたない気がする。 とりあえず、相手を刺激しないように。 下手に下手に。 「どうも、水沢副委員長様」 「……」 「本日は御日柄も良く」 「……」 「あぁ。俺は怪しいもんじゃなくてですねー…」 「……」 無言ですか。 何かの罰ゲームですか。 空気が重たいです。 視線で殺されそうです。 「ご機嫌が優れないのでしたら、また後日日を改めまして……」 もう耐えられん。 軽やかにフェードアウトしようとしたら、ガッシリと腕をつかまれました。 誰にって、背後に鬼を背負った水沢副委員長様にだよ。
/373ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4658人が本棚に入れています
本棚に追加