事の真相と彼女の苦悩

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俺はな、捨て犬とか見るの耐えられないんだよ。哀しい目。愛する主人に顧みてもらえない悲壮感。花の目はそんな感じだった。 「泣くな」 手を伸ばして花の頭を撫でると、なぜか余計に泣いてしまった。困った。 「いただきます」 またJAに走った俺はサーモンの刺身とネギと海苔と米を買ってきた。早炊き機能が付いていない炊飯器だったので30分かかったが、漬けを作るのには丁度いい時間だった。 即席漬け丼を前に、今俺たちはコタツに入って向かい合っている。 「ご飯まで作ってもらってごめんなさい」 「そう思うならしみったれた顔やめてくれ」 「…………」 「あ、わさび買ってくるの忘れた!」 くそー! 俺としたことが! 「賞味期限切れのならあります」 「ないよりましか。くれ」 しなびた老夫婦のような俺たちは空きっ腹に漬け丼を詰め込む。さっきのコーンスープ? あんなのは茶みたいなものだ。腹の足しにはならない。 「それで、俺が来た理由なんだけど」 忘れていた本題に入ると、花は決まり悪そうに頬を赤らめて、上目遣いにこちらを見た。
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