手ほどき 2

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 そこで言葉を切ると、姫はびくりと肩をふるわせた。わたしは顔を引き締めた。 「わたくしに姫さまの歌を教えてくださいませんか? 先日歌ってくださったあの美しい歌を。どうか、お願いいたします。ユェジー姫さま」  それからようやくウードを姫の腕へと渡した。ユェジー姫はウードをひたと抱きしめると、かすかに首をいちど傾け、美しい和音を奏でた。
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