もしかして…？

｢あ、あの！これ、良かったら食べてください！｣

2月14日。

俺はお隣さんの女の子から綺麗にラッピングされた袋を渡された。

え？も、もしかしてこれは…チョコレート！？

いやいや、でもそんなわけ…いや、でももしかしたら…。

思わず頬が緩んでしまいそうになるのを堪えながら、
何でもないように｢ありがとう｣と受け取った。

｢それでは｣
そう言って足早に帰っていった女の子が部屋に入って行ったのを確認した後、俺も部屋に入った。

俺は思わず少しニヤケながらリビングに入り、早速中身を見てみることにした。

中には、色の付いた小袋が入っていた。

持ち上げてみると、ガサガサっという音がした。
この音は…チョコレートじゃない

一瞬ガッカリしかけたけれど、でも何もバレンタインにチョコレートを渡さなければならないという訳ではないので、気を取り直して俺は袋を開けた。

中には茶色のクッキーが入っていた。

茶色…チョコ味か！？
しかも、歪だけれどどことなくハートの形をしている…。

ということは、もしかして…お隣さん…俺の事…！？

｢…へへっ。いやぁ、参っちゃうなぁ…ははははっ｣

俺はそんな独り言を言いながらクッキーを口に運んだー…。