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鎌倉、若宮大路の旅行社に勤務していた小野啓太は、友人の金子隆太からある依頼を受ける。
啓太は、4年前にパリで元総理の小西平太が暴漢たちに襲われていたところを助けたことが縁で、小西の死後に送られてきた回顧録を、20万の報酬と引き換えに渋谷の出版社に届けるよう依頼される。啓太はこれから金鉱探しの旅に出るので、替わりに隆太にその役を果たしてもらいたいというのだ。
小野啓太がやって来たのは3000年後の鎌倉だった。
7年前に王であった雑賀奇縁が、軽演劇場に出演していた素性も知れない芸人を娶ったことをきっかけに革命が起こり、女王とともに暗殺されて以来、共和制になったが、最近は王制復古の機運が高まりつつある。また油田が発見されたとの噂も流れており、各国の財界から注目されている。
小西総理を襲っていた暴漢たちは城戸離苦の手下ではないか?と啓太は推理した。
城戸は有名な宝石泥棒で、鎌倉県警に軽い罪で逮捕され数年間刑務所に入っていたが、最近出所したらしい。
戦国時代、織田信長を狙撃した鉄砲の名人、音羽の城戸の末裔だ。
比叡山延暦寺の焼き討ちで僧侶をはじめ、女から子供まで年齢を問わず3万4000人を殺した。
本願寺顕如は怒りに震え上がっていた。顕如から依頼された城戸は正義のために戦うことにした。
報酬のうち半分の分け前をもらう条件で依頼を引き受けた隆太は、すぐに渋谷に発とうとするが、啓太はさらにもう一つ、篠山理恵という名前の女性のスキャンダル絡みの手紙を本人に返すよう依頼する。グアムにいた頃に助けた富豪が持っていたもので、死に際に渡されたものだという。
戦争によりLINEや電話が出来なくなってしまった。
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