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フィフティ
小幡、杉谷、亘理の3人は幻影館地下にある騎士の間にやって来た。
電子ロックが掛けられた。
「おい!どーゆーつもりだ?ここから出せ!」小幡が叫んだ。
円卓があり、サイコロが2つ置かれてある。3人は椅子にかけた。
スピーカーから突然、指名手配犯みたいな機械音が聞こえてきた。甲高い方ではなく、低くくぐもった感じの声だ。
《これからゲームをはじめましょう、フィフティと言うゲームです。サイコロを2個振り、50点を獲得した人はこの部屋を脱出出来ます》
「脱出ゲームみたいだな?」
亘理が呑気に言った。
《ゾロ目が出たらポイントが入ります》
1ー1 5点
2ー2 5点
3ー3 0点
4ー4 10点
5ー5 15点
6ー6 25点
《0を出したらその時点でゲームオーバー、その方には死んでいただきます》
「そんな!俺たちに恨みでもあるのか!?出せよ!出してくれ!」
杉谷が泣きそうになっている。
「ゾロ目以外が出た場合はどうなんだ?」
《亘理さん、いい質問です。ゾロ目以外が出た場合は『とける』から連想するモノをお答えください。制限時間は1分です》
杉谷、亘理、小幡は話し合い、サイコロを1個振り、6が出た人間が親になり順番を決められるルールにした。
杉谷、亘理が立て続けに1を出した。
小幡の番。小幡がサイコロを振った!6。
「それじゃあ、俺、杉谷、亘理の順番」
小幡が言うと杉谷が頷いた。
「いいだろう」
杉谷、3ー5。
「とける、とける」
杉谷が柱時計の秒針を見る。普段は何にも感じないが恐ろしい速さだ。
「アイスクリーム」
ピンポン!クイズ番組の効果音アプリでも使っているのだろうか?
杉谷がサイコロを振った。4ー4が出て10ポイント入る。
「よっしゃー」
「やるじゃないか?」
亘理が羨ましげに横目で見た。
亘理、2ー1。
亘理は秒針が悪魔みたく思えた。
「恋」
ピンポン!
「蕩けるような恋なんかここ数年してないや」
小幡がしんみり言った。
小幡がサイコロを振った。6ー4。
「こんにゃくゼリー」
杉谷、1ー2。
「砂糖」
亘理、6ー6。
亘理がガッツポーズをした。
杉谷 10点
亘理 25点
小幡 0点
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