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少しだけ怒気を孕んだ眼で壇上の、、、もとい給水塔の端っこにスックと孤高に立つ若人メガネを、同志ふたりは威嚇しながら睨み付けた。
『諸君待たれよ。暫し、暫しの間、我の言葉を聞きたまえ!』
「あー。ハイハイ」
「聴いてやるからサッサと話せよ」
苛立つ二人に両足の脛を掴まれていたメガネっ子は、『ふぃー。とかく此の世は暴力的である』と安堵の声を発し、いざとなったら使おうとしていたゲパルト棒、略称〝ゲバ棒〟こと好物の〝どデカビッグ甘い棒〟入りのパッケージを背中にあるか確認していた。
彼は、このわりと固い棒菓子(メーカー希望小売価格300円・消費税含)を粉々にして、吸い込むように食べるのが気に入っている。
『さ、さきほど同志諸氏らは、この重大な点を無視して、チヨコレイト様こそが、我々が手にすべき神聖にして不可侵の御神体であると発言したのだ!!』
「いや、オレそこまでは言ってねーけど」
「チヨコさんにそこまでの思い入れはない!」
『再びだまらっしゃい!!チヨコ様の存在価値にも及ばない下賎で小汚ないお前達が、レイトチヨコ様は気安く口の端に上せてよい御方ではなぁーーい!!』
この瞬間。チヨコレイトは【麗都千夜子】となり、彼らの心の中で顕在化し擬人化を果たした。
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