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私が初めて本気で人を好きになったのは、中学校に入学して間もない頃だった。
人見知りだった私が、隣の席になった男の子と初めてまともに会話をしたのは、入学式の時には満開に咲き誇っていた桜もすっかり散り、茶色く変色してしまった花びらがグラウンドの片隅に集まってしまっていた時期だ。
挨拶しか交わしたことがなかった彼は、私よりも少しだけ背が低い。
人懐っこくて既にクラスの人気者になっていた彼は、とても爽やかで弾けんばかりの笑顔をしていた。
そんな彼、藤瀬真斗（フジセマナト）に私はあっさりと恋をしてしまったのだ。
中学一年は、影ながらの片思いで終わった。
二年生に進級するときは、毎日夜な夜な同じクラスになれることを願った。
不安で眠れず目の下にクマを作って登校した始業式当日。
私はクラス発表を見て跳び上がりたくなるのを必死に抑えた。
「同じクラスだ……」
せっかくのチャンスを無駄にしてなるものか。
そう思った私は、友達の力も借りながら藤瀬くんと仲良くなるべく努力した。
その甲斐あって、男女三人ずつのグループが結成された。
そして中学二年の夏休み。
私達六人は大きな花火大会に行くことになった。
この日、私は人生最大の決心をした。
私はこの日、藤瀬くんに告白しようと考えていたのだ。
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