episode 2

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仕事と恋愛がイコールであるとは思わないが、同時に上手くいかなくなると何かと結びつけたくなるものだ。 確かに以前からこの会社に自分の未来はないだるうなとは思っていた。 けれど。 「橘くんは、もう少し謙虚になれないのか?そんなに自分を主張して、男を差し置いて出世でもするつもりかね?」 そんなことばかり言われてしまうと、やはり早々に見切りをつけるべきだと判断しても仕方がないことだろう。 私は翌日、退職願を提出した。 昔からの夢であったエクステリアプランナーになるために、高校卒業後は専門学校に進学し、専門分野を片っ端から学んでいった。 エクステリアプランナー二級を取得し、私は今の会社に就職した。 仕事をこなしながら二級建築施工管理技士の資格を取得し、更に飛躍しようとし始めた頃から、上司によるパワハラが始まった。 もともと口ばっかりで仕事のできる上司ではなかったし、女だと言うだけで仕事を公平に見てくれない堅物に何を言われても苦にもならなかった。 けれどどうせ同じ仕事をするのなら、もっといい環境で仕事がしたい。 男女関係なく、誰にも遠慮することなく、自分の力を試してみたい。 そんな思いがあっての退職だった。 直属の上司は私を止めてくれたけれど、部長クラスは私のことを煙たがっている。 退職願は即受理されて、最速の一か月後の退職が決まったのだ。 「結果、アイツらの思うつぼじゃん……」 一人暮らしの部屋で一人呟くけれど、現実は何一つ変わらないんだ。
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