episode 4

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episode 4

この会社に入社して、あっという間に3ヶ月が経過した。 その間に藤瀬くんといくつの作品を作っただろう。 恐ろしいほどに仕事を抱えている藤瀬くんは、その量をものともせずにハイスピードでこなしていく。 初めはついていくのが精一杯だったけれど、3ヶ月も経つと藤瀬くんのやり方というのがわかってきて。 今では言われなくても先回りしながら、きっちりとフォローできるようになってきた。 そのぶん心に余裕が出始めるもの。 ちゃんと眠ってるんだろうか。 家では栄養あるものを食べているのだろうか。 友達などの気兼ねない人と接する時間とかあるのかな? 彼女とはいつ会ってるんだろう。 そもそも彼女……いるわけ? そんな余計なことを考えてしまうのだ。 一日の殆どを藤瀬くんと過ごしている私は、藤瀬くんの視線の一つ一つに目を奪われ。 藤瀬くんの声にだけ強い反応をするようになってしまった。 谷脇さんとの一件以来、私に対する口調が変わった藤瀬くんは、本当はあまり口が良くなかったようだ。 昔は包み込むような物言いだった彼だけれど、今では容赦なく突き離す言い方をする。 それでも最後はちゃんとフォローしてくれるのだから、私の心は荒ぶり放題だ。 気付きたくなかった気持ちに気付いてしまった私は、沸き上がる感情をどうしたらいいのか分からずにいた。
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