送りオオカミ

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送りオオカミ

会社の若い人達の飲み会の帰りのことです タクシーで同じ方面の子達が乗り込みました 男子は独身寮で降りますが少し先輩の男性は みんなを送るからオレは乗って行くよ と、言って降りませんでした それからほかの女子も順に降りて最後がわたしでした 自宅まで乗ってくるようにいつも母に言われていたんですが何だか、タクシーに、自宅を教えるのが嫌で いつも下の方で降りていました その日も、もう0時を少し回っていたんですが 先輩にお礼を言って下の方で降りました いつもは、降りて振り向かないのにその晩だけは なぜか、降り向いたんです すると、タクシーでUターンしたはずの先輩が うずくまって、吐いているように見えました タクシーはもう、いません わたしは、大変だと思って駆けて戻りました すると、うずくまっていた先輩が急にわたしに 抱きついて来て えーーー、ちょっとー 先輩は ごめん、あの、、とかなんとか言いましたが記憶がないです 近所だし大声も出せないし とにかく走って帰りました 翌日、職場に朝から謝りにこられたんですが わたしは無意識に後ずさりしてしまって 職場の人がざわつきました 会社ではそこそこ有名な人だったので 誰にも言わないでいましたが 超苦手な人になっちゃいました あー、送りオオカミって本当にあるんですね でも、事なきをえたので大丈夫です でも、怖かった!バカもん!
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