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先輩達の攻撃が終わってしまった。
いよいよ、僕が打席に立つのか。
と思っていると、柴咲が、
「球をよく見てバットをふれ。お前ならできる。」
とアドバイスをくれた。
でも、何を根拠に言ってるかわからなかった。
でも、やる以上、頑張ってやるしかない。僕はそう、口ずさみながら打席に立った。
「お願いしますっ」
先輩ピッチャーが大きな腕をふりかぶった。
そして僕はバットを構えて球を見ようと必死になって集中した。
ピュッ。
そんな音と共に球が投げられた。
「ストライクっ」
「いいぞ、ピッチャー、相手はびびってるぞ」
と、ヤジが飛んできた。
が、僕は首をかしげてタイムをかけた。
すると、柴咲が寄ってきた。
「どうした?」
「いゃ、なんか、球が遅く見える。」
僕は思った事を言った。すると、柴咲は少し笑いながらこう言った。
「じゃぁ、後はバットを思い切り振ってこい。」
僕はそう励まされて、また打席に戻ってきた。
「すみませんでした。」
「球が速くてびびったのか」
と先輩に言われたが、僕は鼻でヘンと笑い返してやった。
そして、また大きな腕をふりかぶって球を投げた。
僕は思い切りバットを振った。
『カーンっ!』
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