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「お前、でかいの狙って打った?」
と勇平に聞かれ僕は自分が考えた事を話した。
「ふぅん。じゃあ、今度はヒット狙いじゃなく、でかいの狙ってみな。」
と勇平に言われ、僕は次の打席を待った。
「よぉし、雅雄がんばれ。」
勇平の親父さんに声を掛けられながら打席に入った。
ツーアウトでランナーは一塁。
(でかいのかぁ)
と思いながらバットを構え、球を待った。
ピュッ、
投げると同じに僕は思い切りバットを振った。
カァーン
なんとも気持ちいい音がグランド中を成り響いた。
走れ、走れ。
そんな声が聞こえてくる。
僕は、ゆっくりと球の行方を追った。
センター後方のクリーンヒットだった。後少しで、ホームランと言う当たりだった。
僕は、なんとなく、勇平が言いたい事がわかったような気がした。
状況判断をしろって勇平は言いたいんだ。
守備でも、打撃でも、状況によってすることが違う。特に、ショートはたくさん動く。だったら、やってやろうじゃないか。
どこまでもどこまでもと。
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