それぞれの道

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そして、時が過ぎ、僕達もあれから一回も野球部に顔を出さないまま三年の春を迎えていた。 「竜、そろそろ野球部に顔をださなきゃマズイだろ。」 「そうだなぁ。早速、今日の放課後に行くか。」 僕は何の説明もないまま話が進められていく。まぁ、この二年一緒にいて、今に始まったことではないが。 「何の話をしてんだょ。」 僕は聞いた。 「ん、あぁ。そろそろ、中学の試合に出ておかないとヤバいだろ。」 「なんで?」 「だって俺達は甲子園へ行くんだろっ。そうするには、まず、そこそこ強い高校に行かなきゃいけない。なんでかわかるか。」 「えっと、多分、推薦もらうため?」 「そう。だから、試合に出て、スカウトの目に止まらければとてもじゃないけど、高校に行くのは無理だろ。」 「ふぅん、でも、試合に出させてくれるんか?」 「まぁ、普段通りに練習してれば平気だよ。」 僕達は、登校しながらそんな話をしていたが、僕は、内心、緊張していた。
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