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その夜、僕はグラウンドに行った。
さすがに練習はしないだろと思っていたが、念のため、グローブだけ持って行く事にした。
グラウンドにつくと、まだ芝生は夕立の滴が残っていた。
静かに虫が鳴いている。
僕は竜を発見した。
「竜っ!!」
僕は竜を呼んだ。
「竜、どうしたんだよ、いきなり。」
「あぁ、雅雄か。」
「ぅん、俺だけど、どうしたんだよ。」
しばらく、沈黙が続いた。そして、竜がゆっくり口を開いて言った。
「俺、野球辞めるゎ。」
俺は、思わず聞き返した。
「今、何て言った?」
「野球を辞める。」
「何でだよ。あれほど、甲子園に行くって言っていたじゃないか。」
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