729人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺さぁ、勇平と約束したんだよ。二人で甲子園に行こうな。バッテリーを組んでさ。って。」
「だったら何で。」
「勇平、野球出来ないんだぞ。もう、二人で甲子園なんて行けないじゃないか。」
「だったら…」
「俺は、勇平以外とはバッテリーは組みたくないんだよっ。」
僕は言葉を失った。
この二人は、二人共に信頼しあっていたんだとわかった。
悔しかった。
「だから、雅雄、俺は野球を辞める。」
そう言って竜はグラウンドから立ち去って行った。
こっちを振り向かないまま。
僕は、悔しかった。竜を止められなかった自分の無力さに腹が立った。
最初のコメントを投稿しよう!