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僕は、一人で野球推薦に望んだ。
そこそこ強い高校だったが、勇平が言うにはここだったら甲子園に狙える位置にいるらしい。
一応、竜も誘ってみたが、やはり来なかった。
まずは、50㍍走。ここで大半落とされるらしい。基準タイムは6,0秒。
僕は最近計ってないから少し不安だった。
『ヨーイスタート』
合図と共にスタートした。
6秒切れるかなとばかり考えていた。
「ハイッ」
と合図が聞こえた。
「えっと、中山君が5,2秒。」
一瞬、会場がざわめいた。
僕自身もびっくりした。
まさか、この二年でこんなにも縮まるとは思ってもみなかった。
次の種目は、遠投。
これの基準も楽に超えた。
これも全て勇平達のおかげだ。
そう思っていたらいきなり、顧問の先生から
「これからの種目は君は受けなくていい」
と言われた。
「何でですか?」
僕は聞いた。
僕はここで落ちる訳にはいかないんだ。勇平のためにも。すると、
「君はもう、合格だよ」
確かにそう聞こえた。
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