それぞれの道

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僕は、病院を出てすぐに聞いた。 「なんであんなウソをついたんだ。」 竜は、 「受かればいいんだよ。ウソついたことにはならない。」 「でも、推薦は終わったんだぞ。」 「何も、推薦だけが全てじゃないだろ。」 「じゃ、野球をまた?」 「いや、それは無い。」 「ただ、勇平にはウソをつきたくないからさ。」 「じゃあ、試験で?」 「あぁ、頑張ってみるよ。」 竜はそう言って手を振って帰って行った。 久しぶりにキャッチボールをしようとも言えずに、二人の溝がどんどん深まっていった。
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