越えられない壁

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「竜?何でいるんだよ。」 僕は聞いた。 「何でって帰ろうといたらお前が病院に入っていくのを見つけたからさ。」 「えっ?ポジション?一体何の事?雅雄。」 「ぅん、それは………。」 僕は、今日監督に言われた事を勇平に全て話した。 勇平は時折笑みを浮かべていたが、僕が話し終わった時、 「ぶっちゃけ、雅雄わどっちがやりたい訳。」 と、聞いてきた。 正直、ショートからは離れたくはなかった。ただ、少しでも試合に出たいため、違うポジションに移るのもいいかなって思ってたりもする。 すると、勇平が 「俺だったら、その佐藤先輩のポジションを奪うけどな。」 と言ってきた。 「確かに、それができればどんなに楽になれるか。」 僕が言った時だった。 「お前は、自分のポジションが他人に安々と奪われるのを黙って見てるだけなのか。」 と、勇平が怒鳴った。 「いや、そういい訳じゃないけど。」 僕は少しどもりながらいった。 しばらく、病室に沈黙が走った。
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