3年前・変遷

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「だから、黙って見ていると言っている」 セイメイが再び合図を出す。 魔法隊の右手が開かれた形になり、さきほど魔宝石を投げた方へと突き出される。 そして、敵の軍勢が、ちょうど魔宝石の落ちているであろうあたりと重なった時だ。 「やれッ」 セイメイが言った。 すると魔法師たちの手が、黒い輝きを放ち始める。 そして、 激しい閃光と、 そしてすさまじい爆音が、まるで空を叩き割るかのように響き渡った。 咄嗟に耳と目を覆って、その場に伏せていたガウィンは、光と音が収まったのを確認すると、ゆっくりと顔を開いて戦場を見た。 信じられない光景がひろがっていた。 まるで悪魔の爪が大地を削り取ったかのように、大きく、長く地面が抉れている。 敵軍は壊滅的で、そこらじゅうに敵国兵士の死骸が飛び散っているのである。 「魔法石が、爆発したのか?」 そうこぼすクロムも、その力にあっけにとられて、なかば放心状態である。     
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