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数えきれないほどの人々を陥れ、蹴落とし、成り上がってきた。
無一文から始めて、巨大財閥を築き上げた。
俺の前から敗者となって消えていった連中は、いずれも惨めな末路をたどっていった。
その過程は、人類が苛酷な生存競争に打ち勝ち、地球のみならず太陽系全体にその版図を広げてきたさまに似ている。
俺が作り上げた複合企業体は、遍く諸産業をカバーし、まるで生命体のように互いに密接に関わり合いながら活動している。
その頭脳として、すべてを制御していくことができるのは
――俺だけだ――
戦い、守り続けていた居場所を譲り渡してしまえば、待っているのは、かつて自らが葬り去ってきた敗者どもと同じ道なのだ。
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