1077人が本棚に入れています
本棚に追加
「ところで会長。本日、お迎えを頼んでおいた転校生の件はいかがでしたか?」
「……」
「あの、会長?」
「……」
「会長!」
「……」
このバカは私が怒らないとでも思っているのだろうか?
私は椅子から立ち上がり会長の傍へ近寄るとその頭を……
「っっ!?いってぇぇ!!」
「お目覚めのようで何よりです会長」
「おまえ……よりにもよってそんな分厚い本で叩く奴がどこにいる!?!?」
「どこにって会長の目の前にいますが?」
そんな私の返答に会長は唖然としながら私を見ていた。
まぁ簡単に言うと椅子から立ち上がった私はたまたま机の上にあった辞書で会長の頭を思いっきり叩いたのだった。その光景を一部始終見ていた他の役員は顔を青ざめ二度と怒らせてはいけないと心に誓ったそうな……
「で?なんだよ?」
頭を叩かれた会長は不機嫌そうに私に問いかけてきた。
「なんだよではなく先程から声をかけているのですが気づいて頂けないようでしたので最終手段に出たまでですが?」
「それは分かったよ!悪かったって!そうじゃなくて聞きたかったことだよ」
「ああ、会長に迎えを頼んでいた転校生のことですよ?いかがでしたか?」
先程から何回この問いをしているのかと考えたらイライラしたが話が進まないので一旦、置いておくことにした。
「転校生……転校生か……」
「会長?」
これは……またか。再び、何かを考えはじめた会長をみて私はまだ手に待っていた辞書を振り上げた。
しかし、残念ながらその手を振り下ろす前に会長の意識は戻り私に視線を向けてきた。
「おまえは運命って信じるか?」
というアホみたいな問いとともに…………
最初のコメントを投稿しよう!