第1章

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「おはようございます!副会長!」 「おはようございます」 「澪様、おはようございます」 「おはようございます」 翌朝、生徒会業務をする為に早めに登校して校舎への道を歩いていると、同じく早く登校していた生徒たちから挨拶をされた。 おそらく部活の朝練や早めに登校して自習をしようという生徒だろう。 よく誤解されるのだがこの学園はそれなりの偏差値がないと入れないため誰もが1教えれば10理解できると思われることが多い。確かにそんな生徒もいるが努力して勉強をしてこの学園に入ってきた生徒も少なくない。その為、朝早く登校して自習をする生徒もいるのだ。 かくいう私もしっかりと予習、復習をしているからこそ学年上位を獲得しているのであって決して秀才ではない。 ちなみに生徒会で言うと空閑先輩と西崎は私と同タイプ、華園はテスト前に全力で勉強するタイプだ。だがそれでも学年で真ん中より上にはいるのだから元の出来はいいのだろう。会長は前者で授業を聞いただけで理解できる頭を持っている。 ただ会長は家庭内で幼いうちから高学年の学問もやらされていたらしいからただ単に秀才という訳では無いが…… (しかし、あの会長があんな発言をするなんて……) あのバ会長が言った言葉のせいでそのあとの業務は全然進まなくなった。物思いにふけった会長は放課後になっても全く使い物にならず会長のサインが必要な書類に名前を書かせるのでさえ一苦労だった。 そんな状況を鑑みた空閑先輩が今日は「ここまでにしよう」と進言してくれた事により昨日の業務は終わった。 急を要する書類は終わっているが余裕がある事に悪いことはない。朝のうちに少しでも進めようと思い、早めに登校したのだ。 問題は会長がしっかり業務をやってくれるかにもかかっているがそこは意地でもやらせると決意をして生徒会室へと向かった。
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