第1章

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どうして同い歳ぐらいのあの子たちは遊べて俺は遊べないのか、どうして勉強ばかりしなくてはいけないのか、どうしてあんな家に産まれてしまったのか……公園の入口に突っ立ったまま俺はぐるぐるとそんな事ばかり考えていた。 どれくらいそうしていたのかは分からないがその時間はある一人の子どもによって終わることとなった。 「ねぇねぇおにいちゃん。ずっとそこにたってるけどあそばないの?」 「……っ!?」 驚いた。学園では俺の家柄を知って気安く話しかけてくれる奴なんてほとんどいなかった。みんな俺の機嫌を伺って遠巻きに見ているだけだった。だから油断していた。 (まさか話しかけられるなんて……) 声の方に向くとそこには俺より少し背が低くサラサラな黒髪にくりくりな黒目の男の子が立っていた。一見すると女の子に間違えなくもないが、その子の着ている服には乗り物に顔が書かれているイラストが描かれており色合いも青や寒色のモノを使っていることから男の子だと判断できた。 「おにいちゃん?こうえんはいらないの?」 「あっ、えーと俺が入ってもいいのか?」 質問への答えがなかったからなのかその子はもう一度俺に話しかけてきた。俺が逆に問うと男の子はニカッと満面の笑みを浮かべ「いーーよ!」と応えてくれた。 俺よりも小さな手が俺の手を繋ぎ公園の中へと走り出し、俺もそれにつられるように駆け出していた。
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