第1章

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そう言うとつかさと母親は家に帰っていった。気づくと公園には遊んでいる子はいなく、空もだいぶ暗くなっていた。 でも家に帰る気にはなれなくて傍にあったベンチに座った。勝手に飛び出してきてしまったがもしかしたら俺の事なんて気にしていないかもしれない。逆にいなくなって清々したと思ってるかもしれない。 それでも引っかかっているのはつかさに言われた言葉があったからだ。 『きいてみなよ!きかないとわからないよ!』 聞かないとわからない……本当にそうなのかな?少しでも俺の事を気にしてくれてたりするんだろうか…… 俺はベンチから立ち上がり家に向けて歩きだそうとした。 「大輝!!」 その時、俺を呼ぶ声がして公園の入口に目を向けるとそこには父さんと母さんが立っていた。2人は汗だくで俺の元へ駆け寄ると勢いよく抱きしめた。 「大輝!良かった!良かった……!」 「お前がいなくなったって連絡を受けた時は気が気じゃなかった!本当に無事で良かった!」 こんな両親を見たのは初めてで俺は何が何だか分からなかった。俺を抱きしめながら涙を流し見つかって良かったと喜んでいる。 そんな2人を見て俺は自然と「ごめんなさい」と口にしていた…… あの後、帰りの車の中で俺は今まで考えていたこと、全部を話した。そうするとまた俺を抱きしめて今度は2人が「ごめんなさい」と口にした。 それからは無理に勉強させられることも無くなり……というか逆に過保護になった気がするんだが、お互いに本音で話ができるようになった。 別の日に再びあの公園に行ってみたがつかさと会うことはできなかった。聞いた話によると父親の仕事の関係で引越ししたらしい。 お礼を言いたかったが言うことはできず月日が流れてしまった。俺もあの出来事は大切な思い出として心に仕舞い、最近では思い出すことも少なくなっていた。 昨日、アイツと本村司と再開するまでは……
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