第1章

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「さて、話が終わったところで仕事の続きでもしましょうか。新入生オリエンテーションまで時間がありません。やることはいっぱいありますよ」 「あいよ……澪、ありがとな」 「やはり医務室に「やめろ!」冗談ですよ」 急に会長らしくなくお礼を言うからドキッとしてしまった。この人は急に脈略もなく突拍子もないことを言ったり、やってのけたりするから困るんだ。 それでもその会長にいつも助けられているのは私の方だ。きっと私は会長とのこういうやり取りが好きなのだろう。嫌なことから目を背けられるこの時間が大切なのだ。例えそれが一時のことでも私には特別なものだ。 「澪?どうかしたか?」 「いえ!会長にどの仕事から片付けてもらおうか考えていたんです。予算案でもいいですし、総会の資料作成、オリエンテーションの企画案の詰めとそれから……」 「待て待て!多すぎるぞ!」 「あなたが昨日、使い物にならなかったせいで溜まった仕事ですがなにか?」 「……なんでもありません」 私も悪魔じゃないから全部をやれとは言ってないんですけどね。日頃の鬱憤を晴らしてみたくなったので、たまにはこういうのもいいかもしれない。 とりあえず今のところ急を要する書類はなかったはずなので、会長が最初にやっていたモノからやってもらうことにした。 その後、少し時間が経つと他の役員も集まってきたので手分けして仕事を片付けていったのだった。
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