第2章

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あれから日にちが過ぎていき、なんだかんだ忙しい日々を送っていたらオリエンテーションの前日になっていた。最終チェックを兼ねて生徒会役員で明日の確認をしていく。 「というわけで、明日はよろしくお願いします」 「早いね~!もう明日なんだ!楽しみだなぁ~」 「楽しみにするのもいいですけど私たちは仕事もあるんですから浮かれてばかりいないでくださいね」 「……は~い」 楽しみにする気持ちも分かるが、生徒会はあくまで問題がないように見回るのが主な役目であるので遊んでばかりではいられない。 釘は刺したがやる時はやるメンバーばかりなのであまり心配はしていなかった。 「それではまた明日。集合時間に遅れないでくださいね。……特に会長」 「お前……俺が怒らないと思ってるだろう?」 「別にそんなことは思ってないですが……念の為です」 「そうかよ……」 「では、お先に失礼します」 必要な業務と明日の打ち合わせが終わると今日は解散になるので一足先に生徒会室を後にした。 急ぎの用があった訳では無いが早くあそこを出ないと頬が緩みそうになっているのに気づかれてしまうのではないかと思った。 思っているより明日のオリエンテーションが楽しみなようだ…… もちろん生徒会としての業務はあるが何よりも初めての遊園地だ。 華園に釘を刺したが一番刺さなくてはいけないのはきっと自分自身にだろう。 (家に帰ったら明日の持ち物を確認して、オリエンテーションの予定の確認と、休憩中に見たいところ……は、そんなに時間があるわけではないから選別して……) 廊下を歩きながらいつものように挨拶をしてくれる生徒たちに逸る気持ちを表情に出さないように力を入れながら挨拶を返していく。 自分でも意識していないうちに家路を急いでいたようで気づいた時には自分の部屋に到着していた。
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