第2章

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自分の部屋に着いたことを認識するとそれまでの自分の行動が子どものように思えて少し恥ずかしくなった。 とりあえず荷物を置き制服から私服へと着替えると気持ちを落ち着けるためにいつも通り机に向かい授業の予習と復習をしていく。 それでも頭に浮かぶのは明日のオリエンテーションのことでいつもは進む教科書のページが一向に進まなかった。 仕方なく勉強道具を片付けてオリエンテーションの書類を出した。 生徒会で確認はしたが改めて自分でも確認していく。生徒たちが安心して楽しめ、全てが問題なく滞りなく進むように頭でシュミレーションする。 (明日はいい日になるといいな……) 一体どれだけの時間が過ぎたのか部屋の扉をノックする音で我に返った。 この時間に扉がノックされるのは珍しい……いつもならあの人たちの夕食の時間で私に構っている暇などないはずなのに。 「はい。何ですか……」 「澪様。旦那様がお呼びです。書斎に来るようにと」 「……わかりました。すぐに向かいます」 嫌な予感がしたが、断ったら大変なことになることはわかっているので大人しく従う。 さっきまでの楽しい気持ちが一気に無くなっていくのを感じた。
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