第1章

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広く長い廊下を歩く一人の生徒がいる。その生徒はこの学園の副会長、伽々里 澪(かがり みお)。澪は早く目的を遂行しようと少し歩くスピードを上げた。そして目的の場所につくと目の前にあるバカでかい扉を前にため息をひとつついてから扉を開けた。 「ただ今、戻りました」 「おーご苦労、ご苦労」 私が扉を開けて中に入るとその部屋の一番奥にある一番大きい席に座り、パソコンとにらめっこをしていたこの学園の生徒会会長である志藤 大輝(しどう たいき)は顔を上げて声をかけてきた。 「会長、理事長からいくつか書類を預かってきましたよ。今度の新入生オリエンテーションと今年度の予算案、それから明日来る転校生の書類と伝言です」 「伝言?」 「はい。たぁーくんもたまには遊びに「わかった!」......人の話を遮らないでください」 「たぁーくんはやめろと言ってるのにやめない奴の話はするな」 もうお分かりと思うがこの学園の理事長は目の前にいる会長の親戚らしい。確か、伯父さんだと言うのを聞いたことがある。 そしてその伯父さんに会長はたぁーくんと呼ばれているのを酷く嫌っている。 まぁ、その呼び方が嫌なだけで伯父さん自体は嫌いではないらしい。
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