第2章

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突然のことに驚いて私は声をかけてきた人を見つめたままになってしまった。 その人は私よりも10cm近くは身長が離れており、グレーの上着に白のシャツを合わせ、髪はワックスでセットしてある。 私が今まで出会ってきたことのない人種だった。どこか怠そうな……でも頼りない感じではなく、これがこの人のスタンスなのだと言われれば『なるほど』と納得できてしまうような人…… 「おい!聞いてるのか?端に寄れ!」 急に腕を捕まれ端に連れていかれた。そこで自分がどれだけボーッとしていたのかがわかった。 「全く……そんな小綺麗な格好してあんなとこに突っ立ってたらスられても文句言えないぞ」 「申し訳ございません……ちょっと考え事をしていたもので……」 「はぁ……で?なに考えてたんだよ?」 男に言われさっきまで考えていたことを思い出したが、改めて考えるとこの時間に遊園地に行っても誰もいないし、なにより行って私はどうするつもりだったのか……冷静になると自分の行動が幼稚すぎて呆れてしまった。 「ご迷惑をおかけして申し訳ございません。もう解決しましたので大丈夫です。それでは失礼します……」 「待て」 歩き出した私を止めたのはまた男の手だった。 「何か困ってたんだろう?ずっとキョロキョロしてたじゃないか。どこに行こうとしたんだ?」 「えーっと……Y駅に行く方法を考えてたんですが行く予定がなくなったので帰ろうかな、と……」 そうだ。今更だ。今行っても何も無い。もう意味が無いんだ……
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