第1章

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そんな凄いメンバーの集う生徒会だけに一般生徒からの人気が桁違いでありイベントや集会では大騒ぎになるのが悩みどころなんだが、それでも慕ってくれているのは素直に嬉しいことだ。 長々とした説明になっていたが私が部屋に入ると一番手前に座っていた西崎がこっちに目線を向けてくれた。 「おはようございます。いやこの時間だとこんにちはですね、伽々里副会長。」 「こんにちは、西崎。休みを頂いて申し訳ございません」 「家の用事ですから気にしないでください」 「ありがとうございます」 本当に西崎はいい子だ。それに比べてあそこでポカーンと座っているうちの会長は馬鹿なんだろうか? 「着替えたいので仮眠室借りますね?」 私は着ていたスーツから持ってきていた制服に着替え生徒会室に戻った。 自分の席に座ると目の前の空閑先輩が書類を渡してきた。 「できる所まではやったがどうしてもわからない所があって全部出来なかった。すまないな」 「いえ、お気遣い頂いてありがとうございます」 「みっちゃん、無理に来なくても良かったのに……」 空閑先輩は午前中に私が来れないからと書類をやってくれていたらしく私がやることが少しで済んだのはとても有難かった。 華園も私を心配しているのか家の用事がある時は無理に来なくてもいいと言ってくれるが「学園に来るのは私の楽しみなので」といつも言葉だけ頂いている。「みっちゃん」という呼び名はともかくですが……
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