友達日和

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 「昔、流行ったじゃん。チェーンメール。今でも似たようなものがあるらしいけど…この前、おれのスマホにメールが届いた。『本当の友達に出会わないと将来、ブタのように太り、食べることしか考えられなくなる呪いがかかりました。出会わない限り、自分の姿はブタにしか見えず、食べることがやめられなくなるだろう。そして、相手が本当の友達ではないと、相手も自分の姿がブタに見えるでしょう。』と、言う内容だ。おれは何人にも会ったが…みんな、おれのことがブタに見えたらしい。本当の友達ってなかなかいないもんだな」 「おい! なんだよそれ! 子どもみたいなことを言うなよ。お互いいい大人だろ!」 「…君もおれの友達ではなかったことが分かって、それだけでもよかった。でも、この呪いには続きがあって、呪いはうつるらしい。だから、山田くん。君も昔を懐かしく思いながら、これからたくさんの友達と会うことになると思う。」 沢田はふーっと息を吐き、おれの方を向くとまた、笑った。 「なぜだろうね。山田にも呪いがかかったって思うと、高校の時よりの、より友達のように感じられるようになった。今回の一番の収穫だと、おれは思う」
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