友達日和

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友達日和

 高校生の頃って「今が最高!」と言う、人生のピークだと思う。  当時、塾の先生から話を聞いたことがある、「高校の友達は大切だぞ」「今でも連絡を取る仲なのは高校の時かな!」と言う。  その言葉を信じていてか、本心からそう思っていたのか、おれもそうだった…  大学に進学して、上京し、都会の遊びを覚え始めた。あちこちから集まる友達、年齢のちょっとした差もそれなりに楽しんだ。お酒が飲める年になるし、飲み会の味も大人の楽しみを知るきっかけになった。その直後の就職活動は白髪が生えるくらい苦労した。そして、何とか就職を決めて、至福の気持ちのまま、卒業旅行では初の海外を満喫し、桜の咲く頃には社会人の洗礼を受ける。たった四年ではあったが、高校の三年間に比べて、 密の薄さを感じていた。  高校の友達って色褪せる…  でも、ある休日におれは高校の時の友達と再会した。  お互い社会人になり、向こうから声をかけられた。  そいつのことが全く思い出せない。  …いや、顔がブタしか見えない。本物のブタの顔に。
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